森ガールという言葉を覚えているだろうか、きっと蒼井優さんはその人気の火付け役だ。
2007年集英社文庫ナツイチのCMが大好きだった。
だけど、彼女は突然髪をベリーショートにして世間を驚かせた。私もその1人だ。
特に深い意味なんて無かったんだと思うけど、きっと自分のイメージを決めつけられたくなかったのかなとおもう。そこにすごい意志を感じる。
意志の強さ、きっとそれは時に頑固とか強情とかネガティヴな意味で捉えられるけど、私は生きるために必要だと思う。だって自分の人生は自分で作るんだから。
私が蒼井優さんを好きな理由はそこだ。
飄々としながら、グッと強い意志。そんな彼女のことを紹介したい。
1985年生まれ。母は娘を宝塚歌劇団に入れたかったらしいが、生まれた娘の顔をみて諦めたという逸話も。
1999年にミュージカル「アニー」で見事1万人の中から選ばれデビュー。
2000年から2年間雑誌「ニコラ」のモデルを務める。
2001年に岩井俊二監督作の「リリイ・シュシュのすべて」で映画デビュー。
【リリイシュシュのすべて】
この映画を見るといじめ、売春、レイプなどの社会問題の闇が描かれており、心が苦しくなり、辛くなる。けど、誰しも見るべき作品だと思う。思春期の残酷で、怠惰的な情景を上手く映し出していると思う。若き日の市原隼人や、高橋一生が出演している。
【花とアリス】
この映画では特技のクラッシックバレエを制服姿で踊り、ほぼ無音の中、存在感が際立つ演技を見せた。
2005年には実に7本の出演作品が公開され、「ニライカナイからの手紙」は初めて単独で主演を務めた。
カメラマンになるという夢を叶えるために上京した主人公を演じる。辛く厳しい修行の中、日常に埋もれそうになり夢を忘れかける。けれど、一歩踏み出し、仕事の合間に少しずつ自分の写真を撮り始める姿を熱演。背中を押された作品。
【フラガール】
寂れた福島県の炭鉱を舞台にした実話をもとに作られた映画で、実話と同様にダンス経験のない女優をキャスティングし、一から撮影に挑んだだけあって、その過程ややり取りには熱意が感じられる。ラストシーンはずっと手をグーに握りしめたまま見た。南海キャンディースのしずちゃんがいい味出してた。
2008年には「おせん」で連続ドラマ初出演を務める。
きくち正太の漫画が原作のこちらは料理好きにはたまらない作品。蒼井優演じる女将の言葉にハッとさせられることしばしば。残念ながら原作者はこのドラマを見た時に原作との乖離であまりにショックで、予告なしに連載をやめた逸話がある。
同年タナダユキ監督作品「100万円と苦虫女」に主演する。
【100万円と苦虫女】
100万円貯まったら別の街に行くという設定で自分探しの旅に出る物語。印象的なシーンがいくつもあり、蒼井優の魅力を引き出してる作品。
2010年には念願の山田洋次監督作品「おとうと」に初出演。女優を辞めるか悩んだ時にこのオファーがきて、女優を続ける決意をしたとか。
以来、「東京家族」や「家族はつらいよ」にも呼ばれ続けている。
【おとうと】
できの悪い子ほど可愛いというか、弟に振り回されっぱなしのお姉ちゃんの愛の深さに泣かせれた。吉永さんも鶴瓶さんもずるいや。
プライベートでは何かにハマるととことん追求するという。
宝塚、かき氷、チーズケーキ、そば、手芸、アイドルのアンジェルムなどなど
そのハマりっぷりは凄まじいの一言です。
趣味で繋がった友達といると好きな事しか話してないから、いい空気の中にいられるとインタビューで語っています。“好きなものを豊かな言葉です語れる人は魅力的””負の感情での繋がりはもろい”など、自分の言葉で語る彼女。
彼女は写真集や著書も多く出している。
台湾の写真家アイビーチェンとタッグを組んだかき氷が印象的な【回転テーブルはむつかしい】
雑誌MOREの連載を一冊にまとめた対談集【蒼井優 8740 DIARY 2011-2014】
が特におすすめ。
彼女の舞台を見たことがある。登場の仕方の迫力と、役柄の方言のキツさとで良くも悪くも空気が一変した。その日彼女は少し異分子に感じた。空回りというか、うまく混ざりあえてないかんじ。カーテンコールで拍手の中、彼女だけ不服そうな顔をしたのを覚えている。見る人によってはプロ意識にかけると不快に感じたかもしれない。正直私も今日の演技良くなかったのかな、残念だなと思った。でもそうやってうまく流せないからこそ、きっと次に繋がるんじゃないかなと思う。そんな彼女をこれからも応援したい。