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本を読んでパンを焼く日々。

坂上&指原の潰れない店2019年3月3日

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高知県東部の海沿いの町 田野町にある田野屋塩二郎
 
この小さな町にある日やってきた男の人が、海辺で塩を作り出したというなんとも昔話みたいな話。その方が耳にネジのピアスをした強面の塩二郎さん。「威嚇しようと思って」と言う塩二郎にびっくりしたものの、とんでもない職人だった。
 
道の駅に売ってる「塩二郎」とだけ書かれてある中身すら見えない黒いパッケージの塩。100gでなんとお値段は1080円!スーパーで売ってる 1キロ100円の塩と比べて、およそ100倍の値段!にもかかわらず、この塩を求めて多くの人が買いに来るという。
 
一般的な塩は、海水を釜で煮詰めて、水を蒸発させ一気に作られるのに対し、塩二郎さんはひたすら手で混ぜながら、自然の力だけで蒸発させている。じっくり結晶化させていくことで、よりミネラルが豊富な塩に出来上がるという。手で混ぜるだけで作られる完全天日塩。
 
もともと塩二郎さんはサーフショップを経営していたが、海辺で手に職をつけたいとおもい、思いついたのが塩。「俺バカだから」と笑う塩二郎さんに、心からすげーなこの人と感動した。
 
世界でも5人もいないという完全天日塩職人。日本人の師匠に弟子入りし、無給で働くこと2年。塩作りに理想的な地形のこの町にやってきた。海水や太陽は無料なので、施設さえ建てれば費用がかからないとのこと。凄すぎる。
 
塩二郎さんの強みは完全オーダーメイドで出来ること。世界の名だたるシェフからのオーダーが殺到しているという。100段階もの味の違いを、手の混ぜ加減のみで作り分けているというまさに職人!海水の主なミネラルは実はそれぞれに異なる味がありその組み合わせで味の違いを作るのだという。
さらに驚きなのが、アーモンドの味のする塩を作っていること!何かを刻んで塩に混ぜるのではなく、作りたい食材の出汁を移した海水で塩を作るので、結晶自体に旨味が閉じ込められている。
一番高額だったのが1kg100万円の黒トリュフの塩。フランスの星付きシェフがオーダーしたもので、スプーンひとさじでおよそ5000円。しかし材料自体に80万かかったので利益は20万円ぐらいだそう。それでも、お客さんのオーダーに応え続け、作った塩は2000種類以上。
 
誰にも真似できない技を持つことの強み。そこにいきつく発想と、そこに行くまでの根性。
こういう人がいるんだと知ることで、自分はまだまだだし、もっと頑張れる!と思う。
 
久々に心からすげーなと思える人だった。