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本を読んでパンを焼く日々。

冒険に出たくなる本 5選

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学生の時に一ヶ月一人旅をしたきっかけは沢木耕太郎さんの深夜特急だった。この本を読んで、自分も何か動かなければと航空券だけ買って恐る恐る飛び出した。あの時の、1日でも無駄に出来ない、成長したいと生き急いでた頃に読んでいた本をご紹介します。これを読めば、冒険したくてウズウズするのでご注意を!
 

 

サハラに死す―上温湯隆の一生 (講談社文庫)

サハラに死す―上温湯隆の一生 (講談社文庫)

 
【サハラに死す 】長尾三郎
1973年、当時全人未踏のサハラ砂漠横断。それに挑戦した上温湯隆という実在の青年がいた。ラクダ一頭だけ連れて、7000キロを横断しようとした彼の挑戦は志半ばで途絶えた。この本はのちに発見された彼の手記を元に出版されたものである。無鉄砲で勢いに任せた冒険で、死という結末は悲しすぎるし、彼がどのように死んだのかというのは誰にも分からない。ただ、彼の手記の中では懸命にその時を生きていたし、まっすぐな文章には何故だか涙が出た。純粋に何かを目指すってやっぱりいいなって感じる。
 
 

 

旅をする木 (文春文庫)

旅をする木 (文春文庫)

 
【旅する木】星野道夫
写真家の星野道夫さんのアラスカにまつわるエッセイ集。アラスカに行くことしか考えてなかったという星野さんが、26歳で初めてアラスカの地に降り立った時からの思いが綴られていて、この本を読むたびに自分の浅はかさに気付く。星野さんの深く、重く、本質を突く言葉の数々に、ハッとさせられる。忙しい日常に埋もれないように、ふと振り返れる、そんな本です。
 
 

 

深夜特急(1?6) 合本版

深夜特急(1?6) 合本版

 
言わずと知れた名作。私と同じようにこの本で旅に出たという人はたくさんいるのではないだろうか。全6巻で、本の薄さに反して内容が濃く、けれどあっという間に読んでしまう本。筆者が26歳の時、1970年代の紀行を元に書き上げている。ネットがまだ普及していない本当の手探りの旅に、ワクワクする。読んでるだけなのに、まさに東南アジアのじわっとした暑さを感じさせられ、自分がその場にいるかのように引き込まれる描写に、虜になること間違いなし。
 
 

 

 

 

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

 
【幻獣ムベンベを追え 】高野秀行
まずタイトルにやられ、読んでもやられる。早稲田大学の冒険部に所属していた著者の実体験が綴られたこの本。奇想天外な発想にかかわらずそれに真剣に取り組み、奮闘のすえ、なんと企業スポンサーまで獲得する。アフリカまで幻獣ムベンベを追うというこの行動力と実行力は尊敬に値する。著者の文章は読みやすく、飽きないので他の本も強くオススメしたい。幻獣ムベンベに果たして出会えたのかは、本を読んでのお楽しみである。
 
 

 

最後の冒険家 (集英社文庫)

最後の冒険家 (集英社文庫)

 

 【最後の冒険家 】石川直樹

世界7大陸最高峰を登頂した著者・石川直樹が、熱気球冒険家の神田道夫さんについて綴った本。熱気球による太平洋横断の冒険に挑み、石川さんと行った1度目の挑戦は失敗に終わる。けれど諦めない神田さんは周囲の反対を押し切り、2度目の挑戦を1人で行い、消息を絶った。冒険とはなにか、生きて帰らなければいけないと石川さんはいう。しかし、自身も冒険家であるからこそ冒険に取り憑かれる宿命も分かっている石川さんの言葉は重い。最後のという言葉に込めた石川さんの願いが泣けてくる。