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本を読んでパンを焼く日々。

片桐はいりさん

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 印象的な顔立ちと、トレードマークの短めおかっぱ頭。
 
名前は知らなくても、顔は見たことある人は多いだろう。ドラマや映画、舞台など様々な場所で活躍し続ける彼女。
 
1963年、東京都大田区出身。本名は片桐由美。
 
 
片桐はいりさんを好きになったのは、たまたま見つけた片桐さんのエッセイ本『グアテマラの弟』という本を読んでから。当時旅行に興味があったので、グアテマラという言葉に目がいき、著者が片桐はいりさんだったことから手にとる。片桐さんはグアテマラ人だったのかと、勘違いしてびっくりした覚えがある。
 
グアテマラの弟】
グアテマラの弟 (幻冬舎文庫)

グアテマラの弟 (幻冬舎文庫)

 

 弟さんは大学生時代からバックパッカーで世界を回るような人で、グアテマラで奥さんを見つけて、スペイン語学校を経営しているという。13年ぶりにその弟さんを訪ねにグアテマラに行くというエッセイなのだが、太陽とラテンの国で解放されていく片桐さんがよくわかる一冊。表紙の柄のセンスもよく、文章も読みやすく、思わずお腹を抱えて笑ってしまうエピソードもある。

 
この本をきっかけに片桐さんを好きになり、別の本も読んでしまう。
 
【わたしのマトカ】 
わたしのマトカ (幻冬舎文庫)

わたしのマトカ (幻冬舎文庫)

 
映画かもめ食堂でのフィンランド撮影後に、さらに1人残って旅することにした片桐さん。片桐さんの文章はとても感受性豊かで、お茶目で、好奇心旺盛な姿が伝わってくる。同じ体験をしたとしても、こう表現出来るのかーと感嘆してしまうだろう。フィンランドでもっとも有名な「世界一不味い飴」を表現するときの食レポも面白く、ちょっと食べてみたいとすら思わせる。
 
2冊読んでなお片桐さんが好きになり、映画かもめ食堂を見てしまうという片桐ループに見事にはまる私。
 
かもめ食堂

かもめ食堂

 

 小林聡美もたいまさこ片桐はいりが出演。フィンランドヘルシンキ日本食堂を営む。なにか起こるわけではないけれど、日々の生活を営むということがこんなにも素晴らしいんだと思う映画。みんなでおにぎりをにぎるシーンや、ぶりんとしたシナモンロールがただただ印象的で、とても静かなのに、ドタバタコメディーを連想させる登場人物が最高にいい。

 
この3つをみてなお片桐さんを好きにならない人がいるとしたら、びっくりだ。
 
旅行が好きなイメージのある片桐さんだが、子供の時は旅行の前日に「行きたくない!」と言って親を困らすタイプだったそう。そんな彼女が旅行にはまるきっかけは、20代の時に行ったお芝居の仕事での四国への地方巡業。
行く先々で料理に使われている調味料や味噌の違いが面白いとおもったとのこと。
それからは、その土地の特産やらを味わいたくて積極的に地方公演をやるようになったとか。
海外に興味を持ったのもその頃で、仕事仲間と行っていたそう。
1人で海外に行ったのはグアテマラが初めてだったという片桐さん。弟さんの安否確認という使命感で行ったものの、そこから1人旅も好きになり、それ以降平気でどこでもいけるようになったそうです。
 
旅行の目的は観光地ではなく、その土地にいる人の話。確認作業になるのが嫌だから下調べはしない、まず行きたいのは映画館というエピソードもすてきです。
 
話しかけるときに「友達になってください」だと無理だけど、この料理が好きだから、オススメを教えて欲しいとか、映画館が好きなのであなたのよく行く映画館はどこですかとか具体的な質問があれば、話が広がりやすいじゃないですかと語る片桐さん。
 
 
そんな彼女の趣味は映画館でのもぎり。映画が好きで、毎週のように行っていたら、バイトをするようになりハマったとか。有名になった今現在でも日本初のシネコン1984年に開館)であるキネカ大森で、ボランティアでもぎりをやっているそう。
そのことを「ちょっとしたイタズラでもあり、昔お世話になった映画館が絶滅しかかっているから恩返しを」と語る片桐さん。『もぎりさん』という映画もとったというから見てみたい。
 
 
 
片桐さんのような自然体で、好奇心旺盛な大人になりたいです。