元サッカー日本代表監督のイビチャオシム氏に焦点を当てたこちらの本。代表監督時に脳梗塞のため、あえなく辞任することになったオシム氏。彼の時に厳しくユーモア溢れるコメントで、彼が築き上げる日本代表はどうなるかとワクワクしていた中での、辞任だった。かれの半生は壮絶だ。内紛により、突然の祖国分裂。家族と離れ離れに、サッカーどころか命の危険にもさらされる。そんな中でも失わないサッカーへの情熱、美しいサッカーを目指し妥協しない姿勢。人間としての器の大きさと、愛溢れる言葉の数々、この本はバイブルになること間違いなし。
【誇りードラガン・ストイコビッチの軌跡】木村元彦
こちらも同じく政治に翻弄された人生を歩んだ元名古屋グランパスのサッカー選手ストイコビッチ氏の半生記。フィールドの妖精ピクシーと呼ばれた彼は、華麗なプレーで人々を魅了した。その熱すぎる情熱から来日当初は乱暴者のレッテルを貼られた。そんな彼のバックボーンには祖国ユーゴスラビアの民族紛争と、祖国への強い誇りだった。激動の時代において、彼は祖国の人々にプレーで励まし続けた。今の環境に感謝して強く生きようと思う一冊。
- 作者: ラファエル・ナダル,ジョン・カーリン,渡邊玲子
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2011/09/30
- メディア: 単行本
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【ラファエル・ナダル 自伝】
2010年に男子7人目のキャリアグランドスラムを達成したスペインのテニスプレーヤー、ラファエル・ナダル。バンダナをつけ、ラケットを剣のごとく振り回し、闘志むき出しで戦うプレースタイル。本書では全英や全豪の試合について詳細に振り返っている。選手の試合中の気持ちの変化が分かるのは貴重で、メンタルの立て直しや、気持ちの奮い起こしなど実にためになる記述が多い。コート外では誠実で、家族、チームを大事にする彼のことを好きになるに違いありません。
昭和29年に柔道から活動の場をプロレスに移した木村政彦と、人気絶頂の力道山との一戦が行われた。それを昭和の巌流島と呼ばれ、視聴率100%と、全国民注目の中、最強柔道家は力道山に一方的に潰された。負けたら腹を切るとまで言っていた木村が、なぜ簡単に敗れたのかの謎に迫る。分厚い本ながら、著者の丹念な取材をもとに描かれた描写であっという間に読み切ることができる。格闘技に関わってない方も、1つのことに打ち込み続けた人間の生き様をこの本から感じ取っていただきたいです。
【野村ノート】野村克也
言わずと知れた野村さんの著書。わずか4年で弱小チームだった楽天をクライマックスシリーズに導き、その指導力を改めて証明した野村さん。選手、監督として50年にわたる球界生活で綴り続けた勝利の兵法書。野球理論のみならず、人と組織をどうすれば変えることができるのか、私たちの日常でもヒントになることが散りばめられた一冊です。