私が最初にこの本を見たのは、蚤の市の古本屋さんで。りんご箱に入れられたその雑誌は、ひときわ目を惹きました。
英語で書かれていて内容は良く分からなかったですが、淡い写真と自然の中での存在感が際立って、こんな風に生きたいと強く思ったのを覚えています。
編集長のネイサン・ウィリアムと妻のケイティ・ウィリアムが、25歳のときに友人たちとはじめた雑誌で、「KINFOLK」の意味は、家族や親しい者を意味する"KINSFOLK"という古めかしい言葉からSをとったもの。
「A guide for small gatherings(小さな集まりのためのガイド)」というコンセプトがつけられていて、食卓を共にするようなシンプルな行動を通して、夫婦や周囲の友人との関係を深められたらとの思いが込められているそうです。食や暮らしにまつわる美しい情景を切りとった写真やイラストでつづられるこの雑誌は日本語版でも発売開始となっています。
また、「Discovering new things to cook, make and do(小さくて新しい発見の日々を送る)」というコンセプトもあり、それは雑誌の世界観を通じて、読者が行動を起こし、アクティブに今を体験してほしいという意味だそうです。
雑誌の写真にはあえて写真に余白を残して、読者が入り込みやすい世界にしたり、KINFOLKディナーというイベントではあえて完璧な空間にせず、参加者がお皿を並べるところからスタートするというのも素敵だなと思いました。
草原や、海岸の浜辺で長テーブルを置いて、友人や家族と食事を共にする。
ただそれだけなのに、この上ない幸福感に包まれる。
写真から伝わるパワーってこういうことかと思わされます。
どこのページでもいい、めくってみてください。